P ・支配人・先生の独り言

日々の雑談、思いつきをつらつらと書いていくだけ

劇場でしか味わえない歌劇体験       〜劇場版レヴュースタァライト

ポスターにあった『初見でも分かります』ってなんだったんですかね。

お前だよ!Mr.ホワイト、キリン!!!!

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どうも、さっぴーPです。

さて、昨年のロンド・ロンド・ロンドに続き今回の新作劇場版。当初から1週間ほど遅れたものの、6月4日に無事公開。やっぱり今回も2回見る羽目に。

 

6月5日に1回目。

 

案の定、1回では分からずふせったーやらぷらいべったーやら見つつ、6月12日に2回目を鑑賞。

 

 

とりあえず、スタァライト観賞履歴を。

・再生産総集編 少女歌劇レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド

①2020年9月23日(水)シネプレックス幸手

②2020年9月26日(土)ユナイテット・シネマ アクアシティお台場

・新作劇場版 少女歌劇レヴュースタァライト

①2021年6月6日(日)MOVIX三郷

②2021年6月12日(土)TジョイPRINCE品川(プレミアシート)

 

ではでは、考察にもならない気づきと感想を。

とりあえず、ロロロの過去記事読んでみては、、、、

 

overthejagayaki.hatenablog.com

 

 

overthejagayaki.hatenablog.com

 

 

初見でもわかります#とは

 

ある意味、一番わからないのがここである。なんでこんな言葉を入れたのか。

確かに最初の進路相談のシーンで主要人物の名前と出席番号とある程度の人となりはわかる、テレビアニメ1話の構図(練習室に入る際に自分で名乗るシーン)と似ているので登場人物はわかる。後輩への説明シーンで学校の概要と自分たちが3年生であり、卒業も近いことがわかる。ただ、正直これだけではさっぱりな気がする。寮のリビングでのシーン、その後の『皆殺しのレヴュー』で完全に置いてきぼりである(ぶっちゃけアニメから見てても置いてきぼりなのだが)。ん?そう考えるとあながち間違いでもないのか?アレの真意は少し気になるところ。

 

劇場でしか味わえない歌劇体験

予告編の最後に出てきたこの言葉。テレビアニメ最終話でいわゆる第四の壁を超えてきたキリンのセリフを思い出すと、まさしくなのよな。

舞台というものは演じる人がいて、作る裏方がいて、そしてそれを見る観客がいる。確かに映画館の中では、私たちは観客であった。今回の第四の壁の使い方もうまかったなぁ。まぁ、それは後ほど。とりあえずこれほど映画館で見るべき映画と言える。ドラマの延長線やら、それスクリーンサイズでやる必要性ある?って作品が増えている今の世の中から考えると恐ろしいほどに劇場、映画館向きの作品だなと。

 

開幕から、寮での会話まで。

いきなりトマトが爆ぜる描写から始まるこの映画。一発で引き込まれるわな。

トマトの考察はまた後ほど。砂漠を走るキリン。崩れ落ちる東京タワー(どちらかといと約束タワーブリッジかな)で相対するひかりと華恋。飛ぶポジションゼロ。

 

生まれ変わった光を胸に命が求める新たな血肉。歌い、踊り、奪い合う。

それが野生の本能ならば。

99期生、神楽ひかり 

定めは変わる。舞台もまた。

 

ここで初めて出てくる、本能。野生と言っても良いかも知れない。ぶっ飛んだアバンでありながらのちに繋がる重要なシーンである。ワイルドスクリーンバロックについては後の項にて。

 

場面変わって、1年生を案内する華恋と教えているいつもの面々。そして自己紹介代わりの進路相談。この時点では真矢・双葉・まひるが国立第一歌劇団。クロが母国の劇団からのスカウト。香子が家に戻り襲名。純那は早稲田の文学部(今は客観的に舞台を見て学びたい)、ばななが劇団だけど役者か裏方かで迷い中。華恋は未定。そしてひかりはまさかの自主退学。ロンドンに戻ってしまった。

正直かなり驚いた。最初は運命のレヴューで結果は変わってみんなで進級かと思っていたのに(てかアニメの描写がそれっぽかった)、ロロロで世界線変わったのかね。やっぱりアレが単なる総集編とは思えないのよ。時系列が謎。

舞台稽古の場面で純那と華恋がやっていたのはなんか元ネタあるのかな。あれもあの時の華恋の心情に当てはまりすぎて見ていて辛かった。

以下ざっくりとしたセリフ(かなり曖昧)

「いかなければならない、あの大海原へ」(純那)

「見捨てるのか、この故郷イスパニアを、国民を」(華恋)

「どうして行ってしまうのか、友よ、友よ、、、、」(華恋)

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イスパニア、サルヴァトーレ、アレハンドロ、これなんの舞台?

スペイン、航海で思いつくのは大航海時代くらいだがその辺か。

しかしこの相方というか運命の相手とも言えるひかりの喪失後の舞台稽古。

役に入り込んでるというよりは半ば取り憑かれてる?もはや同化してるかのような演技。1年生は拍手を送っているがいつものメンバーは何かを感じ取った模様。

 

 ここで思い出したのがアニメ無印のアイドルマスター第24話『夢』

ブロデューサーが主人公である天海春香(あまみはるか)をかばい舞台の奈落に落ちる事故に遭い入院、一時意識不明、面会謝絶の状況に。ちょうど舞台の主役のオーデション真っ最中であり、その役と自分の状況を重なってしまう。

以下その舞台のセリフ

「私の、私の夢はどこ?掴みかけた夢が、零れ落ちていく。さらさらと...音を立てて...」

「夢だったの...?あの楽し買った日々は、一体何処へ....時は過ぎていく。私一人を置き去りにして...どうすればいいの?私は一体どうすれば?わからない、私にはわからない......」

「どんなに醒めようと私はまた夢を見るだろう。そう信じていたのに。時は過ぎていく。私一人を置き去りにして...どうしたらいいの?私は一体どうしたら?わからない、私にはわからない......」

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こう改めて文字にして思ったけどこれまんまでは?タイトルといい、セリフといい。

これ、正解では?

 

ところ変わって寮での会話

 新国立第一歌劇団の見学に沸く一同(クロ、華恋、ばなな、香子を除く)。

見学に行かないといい出す香子。実家に戻るから見に行く意味がない、そんな事より今日がなんの日か忘れたんか、と。この日付は『2019年5月14日』ちょうど、前回のオーディション開幕から1年後。

 

そういえば結局あの時のオーディションはどうなったんだろうか。勝者はひかり?それとも最後に勝った華恋?あれはスタァライトの続きであってオーディションではない?未だに謎が多いあのオーディション。

 

話を戻して。

香子は叫び出す。あんたらは忘れたんかと。うちはずっと待ってた。次のオーディションが始まるのを、あの音楽が聞こえてくるのを、と。(あの時のレヴューは確かに終わってしまった。それを受け入れた、受け入れようとした、けど諦めきれなかった。そんな風に思ってるウチが)しょうもない。削って削って出た言葉が「しょうもない」になるのかな、と。クロに会った時も「あんたが(双葉はんを第一国立歌劇団へ勧めなければ、ウチと一緒に京都に帰れたのに、でも双葉は自分のこと煩くて、離れたくなったのもあるのか。そんな事を考えてしまう)ウチが一番しょうもない」くらいにはけずってるのかな。

それをずっと外から見ていたばなな  

 

「みんな、喋りすぎだよね。」

 

ここのポツリが怖すぎる。多分言いたい事はもっとあるけど、だいぶ削って喋っているけど、それでも「喋りすぎだよね」。これがキリンからのあのメールの文面につながるのかなと。

そんなこんなで新第一国立歌劇団の見学当日。地下鉄に乗り向かう一行。

座席は、

真矢、まひる、双葉  華恋、ばなな

 

 クロ、純那              香子

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香子だけ離れた席、寮での1件が尾を引いているのか、無理やり連れてこられたのか。

しかしなかなかたどり着かない一行。他のみんなは既に着いているのにこの8人だけ。

 

列車は必ず次の駅へーーーー

   では舞台は?

  あなたたちは?

 

皆殺しのレビューから第101回決起集会まで

気づくと華恋とばななの2人が消えている。そして列車の発車メロディ風のあのBGMが流れ、列車は舞台へ。相変わらず変身バンクがカッコ良すぎるんよ。地上ではキリンが唐突に銀座のど真ん中に現れ

           『ワイルドスクリーンバロック

 の開幕を宣言する。これはオーディションに非ず、というかのように。

 

確かにキリンは今作において一度もオーディションとは口に出してもいないのである。

それこそ「まにまにまに間に合わない」、「終わりではなく始まり」、開幕宣言、ひかりの出迎え、送り出しくらい。観客(舞台を動かす燃料)に徹していたと言ってもいいかも知れない。

 

キリンの話はまた後で。そして始まるレヴュー。

 皆殺しのレヴュー レヴューソング:wi(l)d-screen-baroque 歌唱:大場なな

■個人的レヴューコンセプト・・・ばななによる6人の再生産

 

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いきなり物騒すぎるタイトル。しかもばななvs真矢、クロ、純那、双葉、香子、まひる

というあまりにも変則的な1vs6という形。そしてこの決め台詞。

列車は必ず次の駅へーーーー

   では舞台は?

  あなたたちは?

第100回の聖翔祭は終わり、あなた達はいったい何をしているのか。ロンドは終わり、100回が終わり、次の舞台が近づきつつあるのに何をしているのか、何をそんなに喋っているのか。(恐らく描かれてはいないけど、ばななは既に101回目へ活動していたのでは?)そんな事をしているとみんな死んじゃうよ?まるでそうとでもいう様に圧倒的な力で切り伏せていくばなな。あまりにも強すぎる、低音が良すぎる。カッコ良すぎる。

香子はどうやら勘違いをしている模様。誰も一言も『オーディション』なんて口にはしていない。それを「始まったんや、あのオーディションが」と。

そんな態度のみんなを見たのか途中、「私のセリフを無視、するなぁ!」と激昂したクロを含め、何かに気づいた真矢以外の上掛けをあっさりと落とし、

 

「なんだか、強いお酒を飲んだみたい、、、」

 

これの正しい返答は何だったんだろうな。ずっと考えているんだが未だに分からないのよ。そしてこの後よ。

「......え?」(純那)

「...なんだか強いお酒を飲んだみたい」(ばなな)

「......なな?」(純那)

「だーかーらー、なんだか強いお酒を飲んだみたい(若干強め)」(ばなな)

「何言ってるの?私たち未成年じゃない」(純那)

血が噴き出し、倒れる香子。動揺するみんな。真矢が一言。

「うろたえるな!舞台装置だ。」

ここでこれを言えるのは真矢だけだったな。クロが一歩足らないくらいであとは問題外

かな。

以下ざっくり考察。

やはりロロロは何回目かのループ説だと思うのよ。

とあるループの最後に見た舞台少女の死。あれを見てこの結末はヤバいと思ったはず。

けれど華恋を始め再演を抜けたみんなを見て、これで前に進めると思ったら、実はめちゃくちゃ引き摺っていて前を見れてない。あの結末になる?そんなの信じられない。なんだか最近みんな次の舞台のこと考えてないよね?「このままだと死んじゃうよ」

くらいの発破をかけるくらいだったけど、どうも手応えがない、刀も輪(本差)1本なのに6人を相手取れている。みんなそんな弱かった?1回殺したほうが早いよね(舞台で)。なんかオーディションと勘違いしてる人もいるし、純那ちゃんも腑抜けちゃったし。(純那ちゃんは後で引導渡しにいくしサクッと殺るか)くらいの心持ち。隣の線路を走ってきた列車から2本目(舞 脇差)も来たし決着つけて重傷の華恋ちゃんどうにかしないとだなぁ。であっさり決着。

と、こんなもんかな。

 

さて、舞台少女とはなんぞや。アニメ第1話でキリンが説明してくれてたな。

舞台少女。

普通の喜び、女の子の楽しみ、全てを焼き尽くし、遥かなキラメキを目指す

さらにアニメ第11話にて真矢クロ曰く

舞台は私たちの心臓、歌は鼓動、情熱は血。私たちは舞台に生かされている

傷ついても倒れても、舞台が私たちを甦らせる。舞台少女は何度でも生まれ変わる事ができる。

ここから考えるに舞台少女の死とは、舞台に立たなくなる事、普通の女の子を楽しむ事。寮で将来の話をしながらぶつかったり対立したり、列車の中で見にいく舞台の話をしたり、クロも言ってたな「まるで普通の女の子みたい」。これが正解だわ。

 

さて、ばななに文字通り(真矢を除く)皆殺しにされた面々。ある意味失意の中。

第101回決起集会が開催。(結局、見学はどうなったんだろうか)

ふと、この時点でのスタァライトのオーディションってどうなってたんだろうな。個人的には下手すると、真矢、クロ、ばなな以外は入ってなかったかも知れん、まひるはあり得たかも知れんが、それ以外は他のA組に負けてた。

この決起集会、実は裏側で問題が、、、。途中途中触れられていたが、毎年脚本の第1稿が配られる様だが、最後の場面が未完成のまま。ここでスポットが当たるのが重要サブキャラである、眞井霧子、雨宮詩音の2人。B組(舞台創造科)の所属し、眞井が演出、雨宮が脚本のメイン担当。雨宮が「完成できていない、未完成で不十分なままの脚本をみんなに見せるべきではない」のに対し、眞井が「それでも、決起集会が約束の期限、、未完成でも現状をみんなにみせるべき」と。そして「あ〜〜〜〜〜、怖いな〜〜!だって初めての卒業公演だよ、今まで経験したことのない大きな舞台だよ。怖くて当然、それでも前に進んでいかなくちゃ、私たちは舞台少女なんだから、」

ここでメイン以外の他のA組が「私、この舞台演じたい」「私フレール役やりたい」。

ここで改めて目の当たりにした、クラスメイトの熱量。真矢以外は圧倒されているのがよく分かる。もしかしたらこの決起集会までは周り(101回聖翔祭)のことが見えてなかったのかも知れない。

私たちは舞台少女 未完成の舞台少女

真ん中には常に愛を 希望なぞって足を前へ 揺らがないように

世界は私たちを ずっと待っていたの

世界は私たちの 大きな舞台だから

舞台少女心得のラスサビだが今回の映画の土台はここな気がする。

最後の項目でも述べるが、映画の大元は愛城華恋が引いてはそれぞれの九九組メンバーが〇〇〇〇(◯と文字数は一致しない)、にあり、それを語る上での土台が楽曲『舞台少女心得』ではないか。と思う。

101回の舞台で使う背景セット『星積の塔』のお披露目とともにばななが、

「おやつの時間はここで終わり」みたいな事を言っていたが、もしかしてアニメからずっと出ていたバナナマフィン、バナナンシェ、バナナケーキ、バナナにも何か意味があったのかも知れない。

一転、舞台が変わり、それぞれの舞台少女の死(体)と対峙するみんな。各々が決意を固める中、未だ煮え切らない様子の純那。ここが後のレヴューに影響してくるとは.....。

キリンが現れ改めての『ワイルドスクリーンバロック』の開幕を宣言。どうやらトマトをかじる事が舞台に上がる参加条件となるらしい。

ここから怒涛の5連続レヴューシーン。正直ジェットコースターにでも乗ってる気分だった。

 

         これが、ワイルドスクリーンバロックかと。

ワイルドスクリーンバロック

 

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さて、そもそもワイルドスクリーンバロックとはなんなのか。

これは造語であり、ワイルド+ワイドスクリーン・バロックを組み合わせたもの。

ワイドスクリーン・バロックは下記を確認してほしい。

ja.wikipedia.org正直分からない。何を言っているのかさっぱり分からない。

(いつのまにかスタァライト増えてるな...出典明記してくれ)

いろいろ見てざっくりまとめるととんでもないスケール(宇宙規模くらい)でめちゃくちゃ奇想天外なSFみたいな感じだろうか。

そして『ワイルド』。野生的である。冒頭のひかりのセリフにも『生まれ変わった光を胸に命が求める新たな血肉。歌い、踊り、奪い合う。それが野生の本能ならば。』とあるが、まさにこれなのだろう。

 

とんでもないスケールであっちこっちに移りながら(場面展開しながら)野生的に奪い合う舞台(レヴュー)を演じる。

 

ざっくり言うと『ワイルドスクリーンバロック』とはこんな感じなのだろう。

では、順番に各レヴューの感想、なんとなくの考察(もどき)を。

 

 怨みのレヴュー レヴューソング:わがままハイウェイ

■個人的レヴューコンセプト・・・仁義なき幼なじみ戦争最終篇

 

てっきり、クロvs香子なのかと思った。双葉を新国立へ送った者と一時的かも知れないが離れ離れになる者。と思ったが、やはりここのメインはふたかお。クロは2人に本音を喋らせるためのモブ。あるいは舞台装置あたりだったのだろう。戦いが始まった時なんか「やれやれ」みたいな顔とポーズだったし。見守る親的な立場かな?

 

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そんなこんなで、まずは香子vs双葉。

なんと言ってもデコトラよ。今までこんなに正確に綺麗に繊細に精密にデコトラを描いたアニメはないだろう。パンフのインタビューで古川監督曰く「3D担当の方がこれから10年は破られちゃダメだ」と言っていたらしい。あの、今後10年アニメにデコトラが出てくる可能性があるんですかね。あとはどのレヴューにも言えるんだけど、衣装の豊富さよ。博打から始まりヤクザ、キャバ嬢(セクシー本堂)、デコトラ

あとは香子のセリフ。

   「うっと」 「おい」 「表出ろや」 「他の女なんて、どうでもええわ」

などなど、刺さるわ刺さる。性癖にグサグサ刺してくる。それに対する双葉の返答が

  「ズルい!ズルい!ズルい!」 「香子ばっか、アタシを独り占めしてズルい」

語彙力が幼稚園児。なんだけどよりストレートな言い方。

これも監督がパンフのインタビューで言っていたけれど、「デカイ声で強い言葉を発したやつが相手を納得させる」と。今回は強い言葉を発したのが、双葉の方だった、てだけ。本音でぶつかり合って勝って、自分の大事なもの(バイクの鍵)を預けて、なんだこれ、さっきから何を見せられているんだ。なんだか壮大な愛の告白というか、ばななのあのセリフが思い出される。

 

         「なんだか強いお酒を飲んだみたい」

 

競演のレヴュー レヴューソング:MEDAL SUZDAL PANIC◎◯●

 

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■個人的レヴューコンセプト・・・いえなかった本音をぶつけ華恋へ送り出す。葬送歌

 

ロンドンにいたひかり。こちらにもキリンが現れ舞台(ワイルドスクリーンバロック)へ誘う。「列車は必ず次の駅へ、では舞台は?あなたたちは?”愛城華恋さんは?”」と。キリンが悪魔に見えてきた。ここで華恋のことを出されたら、ひかりは乗るしかないじゃんか。ひかりも列車に乗り込み。トマトを齧る。

(直接的な描写はないが後ろの駅看板の変化で分かる。

            乗った駅 トマト→降りる駅 潰れたトマト)

たどり着いた駅で降り、ラインに導かれるまま進むとそこは競技場。正直???だった。そこに現れたのはまひる。「ずっとこの時を待ってた」と。

 

さぁ、まひるvsひかりの開演。

これもずっと見てみたかった。華恋を挟んで争う2人。会話シーンもあんまなかった、なんか冷戦状態みたいだったこの2人。終盤はまひるがかれひかのママやっていたけど。しかしレビューが始まってもあまり気合いというか、やる気というか君何してんの状態なひかり。しかしここも衣装が豊富だな。陸上、野球、テニス、ボクシング、シンクロ、舞台少女のキラメキってすげえな。舞台装置が勝手に動き出すとはいえ、オリンピックを作り上げるとは....。

話をレヴューに戻して、いきなりホラーに急転直下、感情が追いつかない。「どうして舞台に立ってるのに演じてくれないの」「華恋ちゃんを置いてロンドンに行ったあなたが何か言う資格あるの」「ずっとずっとずっと大嫌いだった」「本音、聞かせてよ」いぇぇぇぇぇっぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!クソデカ感情をぶつけるこの感じ、神かな。よくよく考えると名乗りすらしてないな、ひかりは。しかし、エレベーターとか、空中の通路に追い詰めるところとか、嫉妬、ヤンデレ、若干の狂気の気質が見え隠れしていて大変良かった。こう言うの大好きなんですね、私。追い詰めれ、追い込まれようやく泣きたがら語り出した本音。(もはや懺悔)

「このままだと華恋のファンになってしまう」「舞台少女ではなく1人のファンとして華恋に見惚れてしまう」「(また舞台少女として死んでしまう)」(またの理由は後で)→「それが怖くて堪らなくて逃げ出した」。

そこでまひるが素に戻り「怖いよね」と。舞台に立つのはいつだって怖いもの。それを理解し乗り越えたものが。舞台人になれる。「舞台少女の死」を克服できる。

やっぱりアニメから一番成長しているのはまひるだな、と強く感じられるシーン。ただ、若干、本音も混じっているよね、あれ。

まひるは5話(キラメキのありか 嫉妬のレヴュー)での華恋とのレヴューを経て、いろんなものから卒業して、少し先に進んで自分が少し好きになって、主人公かな、この子。勝者は本音を語ったひかりか、それを引き出したまひるか。金メダルをとったひかりかな、やっぱ。でもひかりにとっては試合に勝って勝負に負けた感じだろうなぁ。

最後はぴったりすぎるまひるの口上で。

宣誓!

私は 舞台に立つ喜びを歌い 舞台に立つ覚悟を踊り 

強く 愛しく 美しく

演じ続ける事を誓います

99期生 露崎まひる

夢咲く舞台に 輝け 私

きっと、国立第一歌劇団で一番輝くのは君だと思う。そう確信したレヴューだったな。

 

狩りのレヴュー レヴューソング: ペン:力:刀

■個人的レヴューコンセント・・・純那の切腹、或いは、、、(反逆)

 

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今は今はと言い訳重ね 生き恥晒した醜い果実 星の遠きに望みを絶たれ

君 死にたもうことなかれ

99期生 大場なな

熟れて堕ちゆく運命なら 今君に 美しい最期を

夢(舞台に立つ)から離れ(舞台少女として)死んでいくのなら、

私が最後を看取ってあげる。

やってきました、ばななvs純那。

余りに美しすぎる最期通告、そして三方に載せられた刀。これは多分ばななの舞(脇差)かな。お手本の様な切腹シーン。ここの純那の顔。まるでなんで自分がここにいるかが分からない、みたいな、そんな顔。多分冒頭からばななは純那にだいぶ不満というか気に入らない様子。爆発したのが「皆殺しのレヴュー」セリフに返答できず、マジレスを返し、ここが舞台の上なのをまるで理解していない。「絆のレヴュー」の後の純那ちゃんはどこ行ったの?どうして今のあなたはそんなに腑抜けていて、堕落してるの。

舞台から逃げているの。「でも今は、よ。いつか主役になるために、今は」→つまり、今は他のみんなには敵わないと思ってる。進路相談で出てきた、

「生まれながら偉大になった者もいれば」、「努力して偉大になる者もいる」

後半は察して先生が言ったが、実はこの名言は正確ではない。純那にしては珍しい気もするが、これも伏線だったのな。

話を戻して、これも純那らしい表現ではあるが、ばななに取って逃げに映った。

レヴューの際も偉人の言葉はばななには全く刺さらず、矢を真っ二つにおられ、弓も切り捨てられ、キラメキの原石である宝石も砕かれ、遺影とばかりに間近で写真を撮られる。たくさん写真を撮ってきたが、これで最期と言わんばかりに。そして足で三方を出され、「純那ちゃんはまぶし”かった”」、「君は美し”かった“」

と言い残し立ち去るばなな。「なんで、過去形なのよ...」と涙する純那。このまま終わって本当に舞台少女として死んでしまうのか、舞台から降りてしまうのか。ばななに響かない偉人の言葉を繰り返す純那を見ながらそう思っていたら、

            「他人の言葉じゃダメ!!!!!」

人には運命の星あれど 届かぬ足りぬはもう飽きた

足掻いて 藻掻いて 主役を喰らう

99代生徒会長 星見純那

殺してみせろよ 大場なな!!!

強い、余りにも強すぎる。差し出された脇差を砕かれたキラメキ(宝石)にぶつけ再生産、やってることが神楽ひかりなんよ。RE:CREATEなんよ。ここから圧倒的な粘りで何度倒れようと立ち上がり、立ち向かい、この泥臭くも最後まで足掻き続けるのが星見純那という存在なのよ。

     「今、この舞台の私が、眩しい主役、星見純那だ!」

いや、強い。でかい声で強い言葉を言ったもん勝ち。「わかります」 

この先の道は別れているけれど、いつかまたきっと再会できる、2人の距離は遠いかもしれないけれど、案外近いのかもしれない。

 

        「...なんだか、強いお酒を飲んだみたい」

魂のレヴュー レヴューソング:美しき人 或いは其れは

■個人的レヴューコンセプト・・・神(真矢)を人間に下ろすための戦い、人間宣言

 

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ここだけ愛が重いし、深い。

これはレヴューというか、1つの作品では?と思った真矢vsクロ。

1つのクソでか感情のぶつかり、殴り愛、ある意味到達点。

なぜか真矢クロだけ4幕構成だし、力というか気合いの入れ具合のレベルが全然違う。とある悪魔(クロ)と舞台人(真矢)が「今までに観たことのないキラメキを見せること、代償はあなたの魂」という契約を結ぶ。しかし舞台を演じ進めていくと舞台人は自らの魂が空っぽだと発する。いつのどんな役でも演じることの出来る空っぽの器。

そして私は生まれながらにしてサラブレット、天才であると。

ここで冒頭と先ほどの純那の台詞が思い出される。あのシェイクスピアの名言

「生まれながら偉大になった者もいれば」、「努力して偉大になる者もいる」

この一番目にあたるのが、天堂真矢という舞台人。両親ともに有名な舞台関係者。

生まれながらにして舞台で生きていくこと、有名になる事を定められた人。

「お前は奢りも誇りも嫉妬もパンパンに詰まった欲深い人間だ!」

 

 

 

月の輝き 星の愛など 血肉の通わぬ憐れなまぼろし

爆ぜ散る激情 満たして今 あんたの心に叩きつける

99期生 西條クロディーヌ

今宵 キラメキで あんたを

一方、前年(アニメ、ロロロ)での真矢の口上がこちら

月の輝き 星の愛 あまたの光 集めて今 あなたの心に届けましょう

99期生首席 天堂真矢

今宵 キラメキを あなたに

真矢の口上の否定を自らの口上にするクロ。そして空っぽの魂の象徴であるブリキの鳥の首を落とす。

一方の真矢も、

輝くチャンスは不平等 千切って喰らえ共演者

愛も自由も敗者の戯れ言 天上天下 唯我独煌

99期生 天童真矢

奈落で見上げろ 私がスタァだ

こちらも同じくアニメ、ロロロのクロの口上を見ると、

輝くチャンスは誰もが平等

だから愛のダンスで誰より熱く 自由の翼で誰より高く

99期生 西條クロディーヌ

C`est moi,la star(訳:スタァになるのは、この私)

やはりクロの口上を痛烈に批判した口上になっている真矢。

君たちお互いのこと大好きすぎるね!?ここから舞台装置がカメラが動く動く。

縦横無尽に動いていく2人を回りながら、カメラワークが良すぎる。

「お前は奢りも誇りも嫉妬もパンパンに詰まった欲深い人間だ!」クロが神を称する真矢を人間に堕とし「英雄には試練を、聖者には悪魔を、私には貴方(アンタ)を」欲望を丸出しにさせ、上掛けを落とす。まるで額縁に入った一枚の絵のよう。

『燃えながら共に落ちていく炎』の言葉は監督かららしいが、この綺麗な表現は真矢クロを一言で言い表した言葉だと思う。「ライバルのレビューは終わらない」ある意味一つの到達点になるのかなってくらい先を行ったレビューだった。

 

     「だから、なんだか強いお酒を飲んだみたい」

 

華恋の過去

 ずっとワイルドスクリーンバロックの幕間に入ってきていた華恋の過去。一体何があり、今の華恋になったのか。パンフレットにあった

わずか5歳で運命を溶鉱炉に。

ーーーー危険、ですねぇ。

の意味とは。

 

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元々はかなりの引っ込み思案な子。キラプリ(元ネタはラブベリかな)という着せ替えカードゲームをやっているものの、それも一人。幼稚園でも誰かと遊んでいるような描写はなし。実にインドアな子供だった。それが変化したのが隣に引っ越してきたひかり。カスタネット(これも赤と青だな)の交流を通して他の子とも遊ぶようになった。キラプリも他の子が混じるようになった。でも楽しいとは思っていないよう。そんな時に誘われたのが「戯曲 スタァライト」の公演。華恋はここで舞台に憧れるが、ひかりは眩しくて怖くなって立つのを辞めてしまおうとなった。そこを救ってくれたのが、

「いつか立とう。キラめくあの舞台に、輝くスタァに二人で。」という華恋の言葉。ひかりはここで一度「舞台少女の死」を迎えるハズだったのかもしれない。ここで運命の舞台(二人でスタァライトの舞台に立つことの意)のチケットを交換する。ここから華恋は劇団に入り、ボイトレ、ダンスも始めた。同級生は夢に向かって一直線と言うけれど、華恋に見えていたのは運命の舞台だけ。約束ではなく運命だったのはより強い強制力をもたせるためか、あるいは、、、。

約束タワーとジェットエンジンと再生産

偉人には三種類いる。

生まれながら偉大になった者、努力して偉大になった者

そして偉大になることを強いられた者

もしかしたら三番目が華恋なのかもしれない。ひかりとあの舞台を見たことによって

二番目に近い三番目になってしまったのかもしれない。「ひかりちゃん」「私にとって舞台はひかりちゃん」。違うんだよ、舞台は演者がいて裏方がいて観客がいて、でないと成り立たない者、そこを運命の舞台のためにひかりちゃん以外見ずに突き進んできた、それこそ将来の夢なんて分からないまま。そこをひかりに核心突かれ、動揺し、観客の存在に、舞台の怖さに、ライトの熱量に気付き、舞台少女として死を迎える。

ずっと手紙を送られるだけだったひかりから再び手紙を送られ、見送られる華恋。

ここからは『少女革命ウテナ』+『マッドマックス』なのよ。何言ってるか分からないかもしれないがこのままだからしょうがない。

ポジション・ゼロに変化し列車に乗せられ嵐を抜けていく。列車の中ではジェットエンジンが起動。ひかりからの手紙を、家族との思い出を、中学校での生活を全て燃やし焼き尽くし新たな舞台少女へと生まれ変わる。再生産の変身バンクに代わる新変身バンクなんだか、どう見ても完全にウテナ・カーなのよな。

 最後のセリフ レヴューソング:スーパースタァスペクタル

 

ここに関しては無粋な考察はいらない気がする、見届けろと。

星屑落ちて 夢は散っても キラめく舞台に 生まれて変わる

新たな私は 未知なる運命 新たな私は まだ見ぬ戯曲

愛城華恋は 舞台に一人

愛城華恋は 次の舞台へ

 

私を照らせ 全てのライトよ 私に見惚れろ 全ての角度で

今の私が 一番わがまま 今の私が 一番綺麗

舞台の上にスターは一人

神楽ひかり 私がスターだ

ひかりちゃんのキラメキが弾け、華恋の胸に刺さる、剣が折れ叫ぶ。

最後の激突。「貫いてみせなさいよ、あんたのキラメキで」

流れが完全にアニメ12話最終幕。

「ひかりに勝ちたい...!!」

キラメキが溢れ出し『ワイルドスクリーンバロック 終幕』の文字。

やはり本音をさらけ出しぶつかり合う事が目的(決着の付け方)だったんだな。

私たちは舞台の上

なんでかは全く分からないけれど、毎回泣いてしまう。

ここでみんなの進路が分かるのがニクい演出よな。ざっとまとめると、

・双葉、まひる、真矢 → 第一国立歌劇団に入団

・香子 → 京都に戻り襲名、バイクの免許取得

・クロ → フランスの劇団に入団、バイトも兼任。

・純那 → アメリカ留学、NYミュージカル&アカデミー

・ばなな →ロンドン王立演劇学院へ留学

・華恋 → 次の舞台を探しオーディションに参加中

・ひかり →???

ひかりはどこで何をしているんだろうか、EDはひかりがみんなに会いに行く(ばななは電話、華恋はオーディション中で忙しくチャット)シーンだったけど。聖翔ではいないし、ロンドンに戻ったのか?そこが謎ポイント。

 

トマト#とは

 しかし、トマトとはなんだったのだろうか。

 ・血を表し「皆殺しのレヴュー」で流した血の補完

 ・食べることでレヴュー(ワイルドスクリーンバロック)への参加意思を示す。

  飢えて渇くのを防ぐ為に水分の多いトマトを選択?

 ・アニメであった「舞台は私たちの心臓、歌は鼓動、情熱は血」に一番合う食物

 ・トマトの花言葉は「完成美」「感謝」齧ることで【未完成の舞台少女】を表現

 

ざっと思い浮かんだだけでこんなところかな。詳しくないので分からないんだが、BD買った時にちゃんと見たいなぁ。

舞台少女心得(まとめ)

 映画の大元は愛城華恋が引いてはそれぞれの九九組メンバーが「何がしたいか」。これに尽きると思う。なぜかは知らないがこの手のアニメ作品の根幹を成す議題。

「あなたはどうしたい?」「あなたは何がしたい?」

 いろいろ回り道はしたかもしれないけれどゴールは案外単純な所かもしれない。

 

後、「舞台少女心得」。今回の映画を表した一曲かもしれない。

私たちは舞台少女

真ん中には常に愛を

希望なぞって足を前へ

揺らがないように

世界は私たちの大きな舞台だから

 

 追記(結局...)

 書いている途中で我慢が出来ず、3回目行っちゃいました

③2021年6月26日(土) グランドシネマサンシャイン(プレミアムクラス BESTIA)

 

やっぱBESTIAすごいな。監督や演者が薦めるだけはあるわな。

レヴューソング、BGM、セリフ。一つ一つがはっきり聞こえるのでみ観やすいし、聞きやすい。土曜の朝なのにほぼ満席。スタァライトの人気ぶりが分かる大盛況。

とりあえずはよ円盤、後可能ならば、台本が見たい。

         ”劇場”でしか味わえない{歌劇}体験

この謳い文句に嘘偽りない映画館で見ることに意味がある珍しい映画。迷っているならば初見でも構わないので、ぜひ見て欲しいそんな一本。

 

      もう私たちは舞台の上

 

 

 

ではまた次の記事で。

 

他の人のブログやふせったーを見ながら(一度宝塚を見るのも良いかもしれない)

 

                                さっぴーP